南の島では、何もしないに限る。何もしない快楽は、何にもか
えがたい。
せっかく、南の楽園に行って、遺跡や名所や土産屋やトレッキングや、その他オプショナルツアーなんてのをするのはどうかしている。
正しい南の島での過ごし方は、適当におきて、飯食って、ちょっと泳いで、ビール飲んで、本読んで、デッキチェア―で昼寝して、飯食って、夕日を眺めてビール飲んで、飯食って、星空を眺めてウイスキー飲んで、本読んで、いつの間にかに寝てしまう。これを繰り返すことだ。彼女が一緒ならそれに、××を好きなだけ組み込めば良い。1週間でも、1ヶ月でも、時間の許す限りだ。
そういう時間の使い方に慣れていないと、すぐ「もったいない」とか「せっかくだから」とか、「一生に一度だから」などというお決まりアホタレセリフを吐きながら、折角の快楽の時間を削ってしまう。
余談だが、私はこの手の「一生に一度的発言」が大嫌いである。
一生に一度の入学式、一生に一度の成人式、一生に一度のウエディングドレスetc。一生に一度を大切にするこの人たちは、一生に一度が月に1回以上あったりする。生涯換算すると12×80=960回も一生に一度がある。特に恋愛バカップルにとっては、毎日が二人の記念日になったりする。「一生に一度のせぶんてーんのばーすでぇを、二人だけですごしましょうね、ウフっ(byエイコ:仮名)」とか気持ち悪く微笑みかけられたりすると、大好きだった彼女にもすっかり幻滅である。ったりめぇーじゃねえか、んなもん。今だって、一生に一度の2002年2月7日の1時5分32秒だよ。なんてことを思ったりする。けれど、私もエイコ(仮名)さんの頃よりは少しは大人になったので、「そうだね、女の子なんだし、ウエディングドレスは慎重に選びなよ。一生に一度なんだから」などと心にもないことを言えるようになった。
少々熱くなり、余談が長くなったが、快楽の為には、少し辛抱して(?)なんにもしないでみることを勧める。早ければ、5日ほどで、体中の筋肉がほぐれ、心の中がドロドロにとろけ、幸せ物質が頭の中に充満すること請け合いだ。
インド洋にモルディブ共和国という国がある。快楽南の楽園計画にはもっとも適している場所の一つだ。1000以上のサンゴの島が集まってできた島国で、そのうち、100だか、200だかがリゾート島として旅行者に開放されている。私がはじめて行ったのは、8年ほど前で、今までに3回滞在した。
ほとんどの島が一周徒歩10分程度の大きさである。今年行った島は、一周5分だった。そんな大きさなので、海に潜るくらいしかすることがない。さらに、大抵全食事付きで、飯の心配をしなくて良い。「食べ物をさがして歩くのが楽しいんだ」って人は南の楽園で快楽を得ることは難しい。飯の美味い(という)イタリアでも行った方が数倍ましだ。美味いものを食べに行くという快楽の存在を私は認める。しかしそれは、南の島の快楽とは別のものだ。
あなたが、上記の楽園計画を実行する気があるとして、続きを話す。
脳をとろけさせたいのなら、計画は綿密に練らねばならない。
1つ、海が綺麗でなくてはならない。足で砂をかきまぜても水が濁らないことが必要である。そして、透明度は15m以上。30m以上あれば申し分ない。
1つ、余計なブティックや観光スポットなどがない方がいい。あっても行かなきゃ良いのだが、これを読むあなたも、典型的な日本人的短期休暇型旅行者だろうから、余計な誘惑はないに越したことはない。
1つ、砂浜が白くなくてはならない。きめが細かく、ゴミや石が落ちていてはならない。きちんとしたリゾートなら、波によって運ばれた石やサンゴのかけらまで除去してくれている。
1つ、部屋は広く、クーラ−が効き、清潔でシックな家具があり、窓からは海が見渡せる。流行の海に突き出した水上コテージで、テラスとデッキチェアがあるとさらに良い。あなたがもし水泳が得意なら、テラスから飛び込んでも頭を打たないくらいの水深があると完璧だ。日光浴時、ほてった体を海に飛び込んで冷ますことができる。
1つ、日本人に対してあまり悪く思っていない所に行く方がいい。
あたりまえだが、話はそんなに簡単ではない。日本人は海外ではあまり評判が良くないからだ。大抵日本人を良く思っていないと考えて良い。英語が喋れなく、コミュニケーションが苦手なクセに偉そうだからだ。日本人は、確実に白人に劣等感を抱いているのにも関わらず、有色人種を下に見る傾向がある。多くのアメリカ・ヨーロッパ人は、「金を持っている猿」くらいにしか日本人のことを認識していないことを知らない。日本人がたくさんいるリゾートスタッフは、日本人に対してうんざりしている。そう見せないとしてもそれは、ジャパンマネーが好きか、ホテルサイドの教育が行き届いているかのどちらかの場合が多い。だから、いっそのこと、日本人があまり行かない所の方がいい。
まあ、この他、酒が飲み放題であるとか、綺麗なお姉さんがいるとか、イイ感じで椰子が生えているとかあるのだが、紙面の都合上省略する。
あなたが、100万,200万の金ならすぐ出せて、休みも2,3週間余裕だよという人なら、具体的に幾つかのリゾートを紹介することができる。できれば、快楽ガイドとして、私を同行させてくれると、なお望ましい。(笑)